莫迦な話

2004年9月12日
左目は色を視ない。

この目が視るのはただそこにある「意味」だけ。

色は意味を成すための情報に過ぎず、

故に、意味を視るこの眼に色は不要。

***

そうだな、暇だしアレだし。
下らない事でもうだうだ書こう。

あぁ、何時もの事だが、見るだけ無駄なんで他の日記を読みにいってくだされ。
時間の無駄哉々。

***

昔から何かと自分は変な餓鬼だった。
今で言う電波な小僧だったらしい。

で、そいつは自分の脳、能力をいじる、と言う謎めいた作業が好きだった。

まぁ、普通に脳をいじる、といっても頭蓋骨を切開してどうこうではなく、意思による脳、否、「意識」の変革をするモノである。

人に言わせればそんな事、幻想染みて莫迦げてる、と言われるかもしれないが、その時は本当にそんな事が出来ると思っていたし、なにしろ実際に幾つかの成功らしい事もあったので尚更だったんだと思う。

まぁ、なんでこんな事をしていたかと言うと、

「自分の手足が意識によって動き、この眼が意思とは関係なく世界を映す」

なんて当り前すぎて馬鹿げてる事が不思議でならなかったから。

なにより、「自我」なんて物が存在する事が信じられなかったから。

***

意識をいじるのは中々難しい。

例えばだ、

世の中には耳を動かせる人がいる。

が、同時に動かせない人も多い。

しかし、実際には動かせる人が居るという事はそれを成しえる為の方法、意識が存在する、と言うわけで。

言わば、そんな物を探し出そうというモノだ。

最初のうちは色んなことをしてみた。

耳を動かすのは予想以上に難しかった。
「耳」は聴覚としてのラインはあるものの、耳への筋肉へつながるラインが中々見つからなかった。

試行錯誤の上、耳ではなく、頭部、頸部の筋肉が耳を動かしていると気が付き、動かせるようになったが。




無駄だ。
意味がない。

ので次。

ハラを引っ込めて見た。
簡単だった。

意味は当然ない。

眼の中のレンズの筋肉を動かそうとした。


眼が攣った。
いたい。

目玉を動かすのは簡単だが、眼の中にある筋肉へのラインは全く判らない。

色々試していくうちに少しだが瞳孔を開かせる事ができるようになった。

これは以外と面白い。

物理的な筋肉だけでなく、「意識」を集中させる事で視力が格段に上がる事が判った。
中々使えた。

教室の一番後ろに貼ってある給食表を一番前の席から見るなんて阿呆な事をしていたようだ。

色んな意味で無駄だ。

逆に、意識を一転に集中せずに、拡散させる事で「目玉」に入る光をかなり広範囲で処理する事もできるようになった。

ドッジボールの時に物凄く役立った覚えがある。

耳。
コウモリが超音波やらを使って物を視ていると聞き、人でもできなかろうか?と思いやってみる。

ドブにはまった。
田んぼに落ちた。
電柱にぶつかった。
トラックにひかれた。




阿呆かこいつは。

とかいいつつ、少しは出来るようになった。

眼が良くとも眼で得た情報が今一つ理解できない自分にとっては中々役に立ってくれた。

お陰で廊下をぼーっと歩いていると横にあいた通気ダクトの真横に来た時仰天ひっくり返っていたが。

いきなり壁に穴がっ!?とか。

アレは心臓に悪かった。

遮音と遮光もできるようになった。
意識をどうでもいい所に集中させると世界から視覚と音があさっての方向に流れていって、意識に届かなくなる。

友人に声をかけられたのに気が付かず、跳び蹴りを喰らった。

「死ぬ」スイッチを作ろうとした。

心臓を止めてみようとした。




息を止めてた。阿呆。

心臓に限らず内蔵へのラインは全く見つからない。
自分の知りうる限りの脳内のラインを漁ったが全く手がかりナシ。

まぁ、自分が知らないラインを探しているのだから当然なんだが。

心臓の鼓動を感じながら、それらしいラインを色々いじる。




鼓動が少しずつ遅くなっていくのを感じた。

ただ時間感覚が長くなっていただけだった。

が、思わぬ拾い物。
意識のスローモーター化に成功、と。

無茶苦茶な意識集中と身体のコンディションが良くないと成功しなかったが、いざ発動していると人々の動きがとてもスローモーション、、には見えなかったが、教室にいる半数の人間の手足の動きから指の動きまでを見ることができた。

主にドッジボールで役に立った(又か。

体を本気で動かす時、特に走る時と喧嘩の時に感じるあの筋肉の動き。

筋肉がはちきれそうだった。

が、普段はどんなに力を込めてもそんな事にはならない。

どうやら意識が興奮状態じゃないと出来ないらしい。

と、気が付いて自ら興奮状態を擬似的に作り出し、それを握ったスチール缶に籠める。

めきり、と缶がつぶれる。

できたー、と思うのもつかの間、
状態を解除すると、

腕がガタガタと震えて筋肉という筋肉が叫んでた。
指の骨がギリギリと音を立てている。

軽い肉離れと間接の軟骨がイカれたらしい。

全治10日。

***

ある日、ちょっとした事から火がついた。

否、火をつける気で相手は話してきたので当然だったんだろうが。

普段でも怒ることは多々あった。

が、その日のソレは少し性質がちがった。

アレだ。

俺はその日初めて、本気で切れたんだと思う。

本当にキレると怒りが上がってこない。

逆に意識が研ぎ澄まされていって、相手をどうやって「 す」か考えると同時に動いていた。

キレるとどうも視覚からくる情報が意識に届かないのか、絵が見えなかったが、どうも思いっきりの殴り合いになったらしい。

俺は避ける事も気にせず突っ込んでいったらしいが、数が3:1とやや不利。

最後はこぶし大の石を後頭部に受けたらしく、小学生にして喧嘩で気絶させられるなんて貴重な経験をした。
いやぁ、死んだかと思った。

次の日喧嘩して俺が殴りかかった奴は学校を休んだ。

なにやらあばらと腕の骨が折れたらしい。
全治三週間だとか。

そう言う俺も腕と指の骨が砕けてて、その上全身肉離れに近い状況で死にそうだったが。
親にはケンカしたーとかいってシップはっただけで誤魔化して病院にはいかなかったが。

まぁ、そんな事件を起こしちまった割り、お咎めがほとんどなかったのはありがたかった。
ま、かなーり、それもとんでもなーくお灸をすえられたが。
なんとなく後ろめたくて自分の怪我は黙っててやったが。

いやぁ、死ぬかと思った。
歩くと激痛で死にそうになるし、
椅子に座ると背骨がギィギィいって気が飛びそうになるし、
体育なんて拷問じみてた。
箸を動かすのなんて気が狂いそうでメシが喉を通らなかった。

火事場の馬鹿力という奴は普段間違っても使っちゃいけねぇな。
うん。

今はクルミを割る時とクソ硬い瓶のフタを開ける時意外使ってませんが。

いやぁ、指が痛い。
なんせ肉が千切れる。

***

まぁ、結局色々試したけどどれも役立つ物じゃなかったな。
まぁアレ、眼と耳は意識使わないと実生活やってけない状態まで成り下がってるからなぁ。
人々はこんな事に意識使わないから余裕あるんだろうなぁ、と思ってみたりする今日この頃でした。

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